生とうがらし「虎の尾」

　尾鷲地域では古くからとうがらしが栽培されており、地元の漁師たちはそれを船に常備し、海上で獲れた魚を刺身で食べる時の薬味にしてきました。
　尾鷲のとうがらしは、長さ約１５ｃｍまで成長し、その形が虎のしっぽに似ていることから、「虎の尾」と名付けられました。原産は「伏見甘長とうがらし」とされ、香り高く、すがすがしい辛味が特徴です。尾鷲の特産物として静かな広がりを見せている食材です。

　生でとうがらしを食べる習慣があまり一般的でない頃から、尾鷲の漁師はそれを刻んでわさびの代わりに使っていました。その野趣溢れる風味を残すために、刻んだ生とうがらしに塩をあわせ、爽やかな香りを引き立たせるために、尾鷲特産の甘夏の皮と果汁を混ぜ込みました。
　お刺身の薬味としてはもちろん、しゃぶしゃぶやお茶漬け、そうめんの薬味などいろんな料理に使ってお楽しみください。